人間関係のストレスにどう対処するか?【認知療法をわかりやすく解説】

ストレス対処法(認知的再評価)🏚️家庭・生活

家庭や学校や職場の人間関係でストレスを感じていませんか?
私たちは、日常生活において人と接することなしに過ごすことができません。
他人に対して、いろんなことを無意識的に考え、それに応じて怒りや不安などのさまざまな感情が出てきます。
しかし、同じ状況に対しても、どのような感情が出てくるかは、人それぞれのものの見方や考え方によって違ってきます。

ここでは、ものの見方や考え方を変えることで、人間関係のストレスに対処する方法をご紹介します。

マイナス思考になりやすい?

例えば、あなたが、知っている人と道ですれ違った時にあいさつをしたにもかかわらず、相手はあいさつをしなかったとします。
その時、あなたはどのように感じますか?

(A)「あいさつもしないで失礼だな」と怒ってしまう

(B)「嫌われているのかな」と落ち込んでしまう

(C)「何か考え事をしていて、自分に気づかなかったのかな」と気にしないでいる

(D)「前に何か自分が悪いことをしたかな」と不安になる

(E)「気持ちに余裕がないのかな。大丈夫かな」と相手のことを心配する

このほかにもいろいろと感じることがあると思います。(A)や(B)や(D)を選んだ人は、マイナス思考になりやすい人です。
このマイナス思考が続くと気持ちに余裕が持てなくなって、余計に怒ったり、気分が落ち込んだり、不安になったりすることがあります。

過去や未来に対するマイナス思考とは?

マイナス思考にはいろんな種類があります。

過去に対するマイナス思考
過去のことを後悔したり、過去の他人の言動から人を恨んだりするのは、過去に対するマイナス思考です。
「あの時私がこうすればよかった」「あの人のせいでこうなった」などと過去にとらわれることで、抑うつ感や怒りが続くことになります。

未来に対するマイナス思考
未来に対する過剰な不安などは、未来に対するマイナス思考です。
「事故を起こすかもしれない」「老後のことが心配」などと起こる可能性が低い出来事を過剰に心配したり、漠然とした不安感を持ち続けることがあります。

他人や自分に対するマイナス思考とは?

現実の場面でも、先ほどの例のように、「あいさつもしないで失礼だな」「嫌われているのかな」などの他人に対するマイナス思考があったり、「何か自分が悪いことをしたかな」などと自分に対するマイナス思考があります。

自分に対するマイナス思考では、そのことを反省して、自分が変わっていこうと考えることは、前向きでいいのですが、自分が反省することでないにもかかわらず、知らず知らずのうちにマイナス思考が続いている場合には、そのことがくせになっているかもしれません。

認知的再評価を使ってみる

このようなマイナス思考によって怒りや不満や不安などの不快な感情が繰り返し起こってしまうと心や体の不調をきたしたり、周囲の人との関係を悪くしてしまうような行動をとったり、ひきこもったりすることも少なくありません。

そこで、こうしたマイナス思考を変えていくには、これから説明する「認知的再評価」とよばれる方法を使ってみてはいかがでしょうか?

紙に書き出してみる

自分がどんな考え方のくせを持っているかを把握するために、不快な感情を引き起こした時の状況を紙に書き出して、その時にどんな考えが頭に浮かんで、どのような不快な感情があったのかも同時に記録しましょう。

このように、自動的に自分の頭の中に浮かぶ考えを「自動思考」と呼びます。
自動思考を紙に書き出してみることで、自分の考えや感情を冷静に客観的にみれるようになってきます。

状況と考えと感情を記録する

まず、次の3項目を紙に書き出してみましょう。

  1. 不快な感情を引き起こしたときの状況
  2. その時に頭に浮かんだ考え(自動思考)
  3. その時に感じた不快な感情(怒り、不安など)

例として、姑との関係でストレスを受けている場合を示します。

  1. 不快な感情を引き起こしたときの状況:姑に洗濯物の干し方などで小言を言われた
  2. その時に頭に浮かんだ考え:私は嫌われているんじゃないか
  3. その時に感じた不快な感情:怒り

考えを信じる割合と感情の強さを書いてみる

次に、2の考えをどのくらい信じているかを0~100%で書いて、3の感情の強さについても0~100%で書いてみましょう。
先ほどの例を示すと

その時に頭に浮かんだ考え:私は嫌われているんじゃないか(90%)

その時に感じた不快な感情:怒り(80%)

状況頭に浮かんだ考え
(信じる割合)
不快な感情
(強さ)
姑に小言を言われた嫌われているんじゃないか
(90%)
怒り
(80%)
状況と考えと感情の記録表

バランスのとれた考えを書き出してみる

その後、2の考えではなくて、ちょっと見方を変えてみて、もっと視野を広げたり、バランスのとれた考えや柔軟な考え方をいくつか考えて書き出してみましょう。

また、その考えを信じる割合も0~100%で書いてみましょう。
例として、次の考え方を挙げています。

4. バランスのとれた考え:私のために愛情を持って注意してくれている(50%)

バランスのとれた考えを書き出す時に「友達だったら、どんなアドバイスをしてくれるかな?」とか「友達が同じ状況だったら、どんなアドバイスをするだろう?」とか考えてみるといいと思います。

過去のことは変わらないし、他人を変えようと思ってもなかなか変わるものではないために、過去に対するマイナス思考や他人に対するマイナス思考であれば、「過去や他人は変わらない」ことを前提として考えてみましょう。

決してマイナス思考をポジティブ思考に変える必要は、ありません。
中立的な立場で、くせになっているマイナス思考をもっと柔軟な考えに変えてみることが重要です。

バランスのとれた考えで、どうなったか?

最後に、バランスのとれた考え方を書き出してみた結果、2の考えを信じる割合が何%になったか、また3の感情の強さが何%になったかを書いてみましょう。
例として、次のようなものがあります。

2. その時に頭に浮かんだ考え:私は嫌われているんじゃないか(90%)→(30%)

3. その時に感じた不快な感情:怒り(80%)→(30%)

これらの一連の作業を表にしたものは、「自動思考日誌」または「思考記録表」と呼ばれるものになります。

状況頭に浮かんだ考え
(信じる割合)
不快な感情
(強さ)
バランスのとれた考え
(信じる割合)
結果
姑に小言を言われた嫌われているんじゃないか
(90%)
怒り
(80%)
愛情をもって注意してくれている
(50%)
嫌われているんじゃないか(30%)
怒り(30%)
自動思考日誌

この自動思考日誌を継続して行うことによって、次第に自分の考え方のくせに気づくようになると思います。
「嫌われているのかな」「失敗するかもしれない」「あんな事がなかったら」などと人それぞれに考え方のくせがあり、その考え方がマイナス思考であれば、これらの作業を通していろんな考え方に切り替えてみましょう。
そうすることで、徐々にストレスに強くなってきます。

このようにして、自分の考えや感情について冷静に客観的にみることができたら、実際に身の回りで起こっている出来事や、対人関係の問題を解決することが可能になってきます。
問題となっているのは、他人のせいでもなく、自分自身のせいでもなく、自分自身の考え方であれば、その考え方を変えてみることで解決できます。
他人の考え方を変えることは容易ではありませんが、自分の考え方を変えることは自分でできます。

認知的再評価を続けてみましょう

最初のうちはうまくできないかもしれませんが、半年や一年と続けていくうちに以前と違った考えや感情になっていることに気づくと思います。
また、冷静に客観的に現実を受け止めることができるようになって、苦しみや悲しみを乗り越えることができ、忍耐力がついて、ストレスに対して適応していく能力が上がってきます。

問題となっていることに対するネガティブな面だけでなく、ポジティブな面があることに気づくことが大切です。
人生においてさまざまなことを経験することで、できるだけ多くのことを学んでいこうとする姿勢があれば、どんな問題が起こったとしても、それによって貴重な経験をしたと思えるようになるでしょう。

ものの見方や考え方が変われば、他人や社会に対する見方や考え方も変わってきます。
今までは他人や社会を批判的にみていたのが、人間関係や社会の問題を自分の問題としてみることができるようになると思います。
そうすれば、世界を見る目が変わってきます。
今までは、どうにもならないと感じていた人間関係や社会問題がまったく違って見えてくるはずです。

ものごとを柔軟に考えることができれば、問題に対して柔軟に対応することができます。

マイナス思考になっていると感じたら、認知的再評価を使って私たちの周りで起こっている問題の意味を考えてみましょう!

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