エシカルとは「倫理的な」「道徳的な」という意味です。
最近では、「人や動物や環境、社会、地域などに配慮した」といった意味で使われるようになり、大量生産・大量消費や環境破壊などの社会問題について考えて、行動する人が増えてきています。
でも、実際の生活の中でどんな行動をすればいいのかわからない人も多いと思います。
そこで、今回は衣・食・住を中心としたエシカルな暮らしやエシカル消費について解説します。
エシカルな暮らし(エシカルライフ)
エシカルな暮らし(エシカルライフ)とは、「人や動物や環境、社会、地域などに配慮した暮らし」です。
例えば、レジ袋をもらわないようにして、マイバッグを持っておくこともエシカルな暮らしになります。
ほかにも日常の買い物では、必要な食べ物を(傷ませてしまったり、賞味・消費期限が切れないように)必要な時に食べきれる量だけ購入することを心がけるだけでも、食品ロスを削減することができます。
また、商品やサービスがどれだけ社会や環境に影響を与えて生産されたものかを知った上で、その商品やサービスを買うことも含まれます。
環境や動物に配慮し、労働問題などの社会問題の解決につながるように生産された商品やサービスを買うことで、消費者がこれらの社会問題の解決に貢献できることになります。
このような消費行動は、エシカル消費といわれます。
エシカル消費
「エシカル消費(倫理的消費)」とは、
消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/about/(消費者庁のHPより)
といわれています。
私たち消費者は、人や動物や環境、社会、地域などに配慮された商品やサービスを選択して買うことが重要になってきます。
例えば、オーガニック(農薬や化学肥料を極力使用しないで生産された)な衣類や食品を買ったり、フェアトレード(発展途上国などの生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引)で生産された衣類や食品を買うことが、エシカル消費となります。
衣類と食品と住居に関するエシカル商品(人や社会、環境を意識して作られた商品)の例を下記に挙げてみました。
衣類に関するエシカル商品(エシカルファッション)
- 長期間使用できる衣類
- リユース品やリサイクル品
- オーガニックな素材(オーガニックコットンなど)で作られたもの
- フェアトレードな衣類
- 地元で生産された素材(綿花など)で作られたもの
食事に関するエシカル商品(エシカル食品・エシカルフード)
- オーガニック食品
- フェアトレード食品
- 地元で生産された食品
- 環境負荷の大きいお肉の消費を減らすこと
- アップサイクル食品(本来であれば廃棄されていた食材や食料を活用した食品)
住居に関するエシカル商品
- 長期間使用できる家具や生活雑貨
- リユース品やリサイクル品
- 界面活性剤が入っていない植物性のものや環境にやさしいハンドソープ、シャンプー、洗剤
- 省エネ製品など環境に配慮した商品
- 木材や紙やティッシュなどは、森を守るFSC®(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)のマークがついたもの(適切に森林管理を行っている生産者の木材から生産されたもの)
- エシカルコスメ(地球環境や生産者・製造者など労働環境などに配慮された化粧品)
- エシカルハウス(人と環境に配慮した持続可能な家)
これらのエシカル商品を生産している企業や社会問題に事業として取り組む企業をエシカル企業といい、エシカル企業への就職を志望する就職活動をエシカル就活といいます。
エシカル商品(消費)の問題点
エシカル商品の問題点として、価格が高いことが一番に挙げられます。
そのほかにも、エシカル商品自体が少なく、エシカル商品に魅力的な商品が少ないことなどがあります。
また、ブランディング(企業や商品のイメージを上げること)のためにエシカル商品を生産している企業は、「怪しい」とか「信用できない」と思われる場合があります。
私たちにできること
もちろん、個人のエシカル消費で変えられることはわずかでしかありません。
でも、大量生産・大量消費されている環境負荷が高くて生産者にとって不利益な安い商品ではなく、できる範囲内で人や動物や環境に配慮されたエシカル商品を選ぶことが大切です。
私たちの身近な暮らしの中で、私たちにできそうなエシカルな行動があれば、その行動を持続させることが大切です。
個人のエシカルな行動でも、みんなが長期間継続することで、社会を変えていくことができます。
地球環境を守り、子どもたちの未来が安心・安全な社会になるように、みんなで取り組んでいきましょう。