環境問題の種類と原因およびその解決策【私たちにできること】

環境問題-地球温暖化- ♻️ エコ・節約

地球上では、地球温暖化による気候変動、大気汚染、水質汚濁などのさまざまな環境問題があります。
環境は、私たちに大きな影響を及ぼします。
大気汚染からプラスチックごみまで、私たちの環境を改善するために私たちができることはたくさんあります。
私たちだけでなく、子どもや孫などの私たちの子孫を守るために、私たちにできることを少しずつ増やしていくことが大切です。
そこで、この記事では、環境問題の種類と原因およびその解決策(私たちにできること)を紹介します。

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環境問題(環境汚染、環境破壊、自然破壊、地球環境問題)とは?

環境問題は、環境汚染、環境破壊、自然破壊、地球環境問題といった言葉で表されることがあります。
環境問題とは、人間の活動によって周囲の環境が変化し、その結果として発生した問題です。
世界の人口が増加し、さらに私たちが消費する物やエネルギーが膨大に増えたことによって、資源が減り、有害物質・二酸化炭素・廃棄物(ごみ)が増えることで環境が変化してしまい、その変化した環境を回復させることが難しくなっています。

環境問題について(環境問題には何がある?)

環境問題には、地球温暖化による気候変動が大きくクローズアップされています。
この地球温暖化の原因には、二酸化炭素以外に、大気汚染や森林伐採による森林の減少などがあります。
環境汚染である大気汚染・水質汚濁(地下水・川・湖・海)・土壌汚染には、有害物質やごみ(なかでもプラスチックごみ)や放射性廃棄物といったものが関係してきます。
そのほかにも大気汚染による酸性雨の問題、森林の減少による砂漠化、マイクロプラスチックなども環境問題になっています。
これらの環境問題によって、生物多様性が減少しています。

環境問題の種類(環境問題の例)

環境問題には、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、地球温暖化、森林破壊、酸性雨、砂漠化、生物多様性の減少などさまざまな種類があります。
これらの環境問題の要因となっているものは、二酸化炭素有害物質廃棄物(ごみ)になります。
また、それらの二酸化炭素や有害物質の一部を減らす働きのある植物(森林を含む)の減少によっても環境問題を引き起こしています。

環境問題を引き起こす4つの要因

環境問題の種類はたくさんありますが、ほとんどの環境問題がさきほどの二酸化炭素有害物質廃棄物(ごみ)、森林の減少によって説明ができます。
そこで、ここではこれらの4つについて解説します。

二酸化炭素による地球温暖化

地球温暖化には、二酸化炭素以外の物質(メタン、一酸化二窒素、フロンなど)による影響もありますが、二酸化炭素による地球温暖化は、私たちがよく耳にする環境問題の一つです。
二酸化炭素による地球温暖化は、気候変動、海面上昇、干ばつ、作物の不作、洪水、山火事、ハリケーン、その他の異常気象の頻度を増加させ、私たちの生活が壊滅的な打撃を受ける可能性があります。
特に貧困率が高く、インフラが不足している発展途上国に住む人々に大きな影響を及ぼします。

人間の活動による地球温暖化

気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)は、地球温暖化の原因の大部分は人間の活動にあるとする報告書を発表しました。
IPCCは、産業革命以前の水準から1.5度以上気温が上昇しないようにするには、2030年までに温室効果ガスの排出を45%削減する必要があると報告しています。

近年、石油、天然ガス、石炭などの化石燃料を大量に消費して、森林が伐採されることによって二酸化炭素が急激に増えています。
そのため、二酸化炭素による地球温暖化の対策としては、人間の活動を変えていく必要があります。

化石燃料(石油、天然ガス、石炭)の大量消費

化石燃料は、動物や植物が地中で数万~数億年かけて変化してできたもので、いわば私たちのエネルギー資源の貯金みたいなものであり、無限にあるものではありません。
この化石燃料を燃やすことによって二酸化炭素が発生します。

人間の活動によって、これらの化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出しています。
火力発電の燃料として石油、天然ガス、石炭が使われているため、火力発電で作られた電気を使っている私たちは、二酸化炭素を排出しています。
プラスチックやガソリン・軽油や灯油は、石油から作られているため、プラスチック製品を買ったり、車を走らせたり、灯油のストーブを使ったりすることでも、私たちは二酸化炭素を排出していることになります。
都市ガスやプロパンガスには天然ガスや石油が使用されていることが多いため、ガスを使う時にも二酸化炭素を排出しています。
そのほかにも物をつくったり、排水や廃棄物を処理するためにも二酸化炭素を排出してしまいます。

二酸化炭素を減らすために私たちができること

二酸化炭素の排出を減らすには、私たち一人一人が電気・ガス・水道の使用量を減らしたり、車の代わりに公共交通機関や自転車を利用したりする必要があります。

有害物質による環境汚染(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染)

世界保健機関(WHO)によると、大気汚染によって毎年、世界中で約700万人が死亡していると推定しています。
つまり、世界の総死亡者数の約3%が大気汚染に起因していることになります。
大気汚染は、呼吸器系の問題を引き起こすだけでなく、心血管系、内分泌・代謝系、その他の健康問題の原因になることがあります。

日本では、これらの環境汚染(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染)については、環境基準が設定されています。

環境基準とは、「人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたもの」

https://www.env.go.jp/kijun/index.html

大気汚染に関する環境基準

大気汚染に関して環境基準が定められている物質の中でよく知られているのは、光化学オキシダント(光化学スモッグ)やPM2.5(微小粒子状物質)があります。

光化学オキシダントとは、工場や車から出る窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(Volatile Organic Compoundsの略語でVOCとも呼ばれます)が太陽の紫外線によって生成されるオゾンなどの酸化力の強い物質です。
有機化合物とは、一酸化炭素や二酸化炭素のように簡単な構造の化合物を除いた炭素化合物(炭素を含む化合物)の総称です。
光化学オキシダントは、目やのどや肺を刺激します。

大気中に浮遊する粒子状物質で、その粒径が 10μm(1μm=1mmの千分の1)以下のもの(浮遊粒子状物質)は、環境基準が定められていますが、それよりもさらに小さな粒径が2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)についても環境基準が定められています。
PM2.5も気道や肺の粘膜を刺激します。

光化学オキシダントやPM2.5は、工場や車から排出されるガスによって発生するため、環境基準が定められることによって日本ではそれらが排出される濃度は、改善しています。
しかし、最近では日本以外のアジアの発展によって大気が汚染され、海外から日本にPM2.5などの汚染物質が運ばれてくるようになりました。

そのほかにも有害大気汚染物質として、揮発性有機化合物であるベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンやダイオキシン類の環境基準が定められ、規制されています。

水質汚濁・土壌汚染に関する環境基準

水質汚濁・土壌汚染とは、工場からの排水や人々の生活による排水や農薬など人間の活動によって地下水や川や湖や海の水や土壌が汚れてしまうことです。
工場から排出される有害な物質としては、揮発性有機化合物や重金属があります。
そのため、さきほどの揮発性有機化合物や重金属(比重が約4以上の金属)や農薬やPCB(ポリ塩化ビフェニル)の環境基準が定められています。

環境汚染を減らすために私たちができること

有害物質の排出を減らすには、私たち一人一人がプラスチックなどの有機化合物で作られた製品や合成繊維の衣類(微生物に分解されやすいものを除く)の購入を減らしたり、洗剤の使用を減らしたり、車の使用を減らしたりする必要があります。
そのほかにも水質汚濁を減らすために私たちができることは、水の使用量を減らして、水をできるだけ汚さないことです。

環境省は、「生活排水対策・10の工夫」として以下のようなものを挙げています。

水にやさしいクッキングの工夫
その1) 調理の手順を工夫して、ムダなく水を使いましょう。
その2) 調理くずや食べ残しが流れてしまわないように水切り袋などを使いましょう。
その3) 食器や鍋の油汚れは紙などで拭き取ったり、ヘラでかき取ってから洗いましょう。
その4) 米のとぎ汁は、1回めの濃いものだけでも庭の木や畑にまいて利用しましょう。
その5) 油は流さず使いきる工夫をしましょう。やむを得ず捨てる場合には、古新聞やボロ布などにしみこませて、生ごみと一緒に捨てましょう。

水にやさしい暮らしの工夫
その6) トイレは、便用後にちょこちょこ掃除しましょう。
その7) 入浴の際は、石けん、シャンブー、リンスを使い過ぎないようにしましょう。
その8) お風呂の残り湯を洗濯や掃除に再利用しましょう。
その9) 洗濯の洗剤・石けんは適量を使いましょう(多く使っても洗浄力が高まるわけではありません)。
その10) 歯みがきの水はコッブで、洗顔には洗面器を使いましょう。

https://www.env.go.jp/water/seikatsu/pdf/all.pdf

廃棄物(ごみ)

工場からの廃棄物、家庭からのごみは、紙や缶やビンやペットボトルなどのリサイクルされるものもありますが、そのほかの燃えるものは焼却され、燃えないものでリサイクルできないものは埋立地で処分されます。
しかし、焼却されるとエネルギーが消費され、空気を汚染します。
また、埋立地を確保するには場所が必要ですが、その場所も限られています。

マイクロプラスチック

最近ではマイクロプラスチック(一般に5mm以下の微細なプラスチック類)の問題が注目を集めています。
プラスチックごみは、合成繊維の衣類を洗濯した時にマイクロプラスチックができたり、放置されたものが紫外線などで劣化してマイクロプラスチックとなったりすることが知られています。
マイクロプラスチックは、人や環境に悪影響を及ぼします。

放射性廃棄物

放射性廃棄物とは、原子力発電などで使用した後の放射性物質や放射性物質で汚染されたもので、その後の使用予定がなく、廃棄されるものです。
放射性廃棄物の処分には、地下300m以上のところに埋めることが検討されていますが、現状はコンクリートなどの放射線を遮断する物質で囲っているだけで破棄されています。

廃棄物(ごみ)を減らすために私たちができること

ごみ問題で私たちができることに、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)があります。

  • リデュース:ごみを減らすこと
  • リユース:使用済の製品やその一部などを繰り返して使用すること
  • リサイクル:ごみを回収して、新しい製品の材料として再利用すること

ゴミを減らすためのこれらの3つの取り組みは、頭文字をとって3R(スリーアール)と呼ばれます。
3Rは、廃棄物(ごみ)を減らし、エネルギーを節約するのに役立ちます。

リデュース(Reduce)

3Rの中で、まず、はじめにやるべきことがごみを減らすこと(リデュース)です。
リサイクルする時も処分する時にもエネルギーを使って二酸化炭素を排出します。
そのため、マイバッグや自分の水筒(マイボトル)を持ち歩いたり、本当に必要なもの以外は買わなかったり、持続可能な材料(天然素材など)で作られた製品を購入したり、包装を減らしたりして、できるだけごみの量を減らすことが大切です。

リユース(Reuse)

使わない製品でまだ使えるものがあれば、中古品の買取店やフリーマーケットで売ったり、知っている人にあげたり、寄付したりして、ほかの人がリユースできるようにしましょう。
また、家具や電気製品などの中古品を購入したり、着なくなった洋服をリメイクして使ったりして、自分でリユースできるものは、積極的にリユースしましょう。

リサイクル(Recycle)

リサイクルは、新しい材料や製造工程を減らすことができます。
リサイクルごみは、分別して再利用できるようにしましょう。
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、パソコン、スマートフォンなどは、リサイクルを適切に行なう事業者に回収してもらいましょう。
また、リサイクル製品を積極的に選んで購入しましょう。

放射性廃棄物を減らすことに関しては、電気の使用量を減らすことや再生可能エネルギーによる発電を増やすことなどがあります。

森林の減少

植物は、光合成によって二酸化炭素を酸素に変えてくれます。そのほかにも、二酸化窒素などの窒素酸化物(NOx)や二酸化硫黄などの硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染物質も吸収する働きがあります。
日本では、森林面積に大きな変化はありませんが、世界的には、森林は減少しています。
特に南米、アフリカ、東南アジア、東オーストラリアなどの一部の地域では、急速に森林が減少しています。
森林が減少しているのは、食糧不足のために森林を家畜や農地に変えたり、再生される以上に木を伐採したり、石炭や金属を採掘するために伐採したり、インフラや水力発電のために伐採したりすることが主な原因です。
また、森林伐採による土壌侵食や砂漠化により、水不足や土地の劣化が進んでいます。

森林伐採を防ぐには、フードロス問題を解決したり、木材や紙やティッシュなどは、FSC®(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)のマークがついたもの(再生される以上に森林を伐採しないように管理している生産者の木材で作られたもの)を購入するなど、エシカルな暮らしを心がけることが大切です。

おわりに

地球には古代の昔から蓄えられた化石燃料などの資源があるのに、私たちはそれを驚くほどの速さで使い果たそうとしています。
私たちは、これらの資源やエネルギーを無駄にするのをやめなければなりません。
また、ごみ(廃棄物)を減らす方法もたくさんあります。
本当に必要なもの以外は買わなかったり、持続可能な材料で作られた製品を購入したり、包装を減らしたり、できるだけリユースやリサイクルするようにして、私たちができることを少しずつ増やしていくことがとても大切です。

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