調理をするには、IHクッキングヒーターなどの電気やガスを用いるのが一般的です。
もちろん、電気がガスがなくても薪を使っても調理はできますが、世界的にも薪を手に入れるのは難しくなっています。
太陽熱は、晴れの日の昼間であれば、いつでもどこでも利用できるエネルギーで、ランニングコストは0円で、CO2排出量は0です。
環境に優しく、持続可能な太陽エネルギーを利用することは、今後ますます重要になってきます。
そこで、今回は電気やガスや薪などの燃料を使わないで、太陽熱で調理をする方法について解説します。
太陽熱調理器(ソーラークッカー)とは?
太陽光発電でも、IHクッキングヒータを使えば調理はできますが、太陽の光エネルギーを電気に変換する太陽光発電で、その電気を熱に変えて調理するのは効率の悪い利用法になります。
太陽の光を集めることで太陽の熱エネルギーをそのまま調理に使えるようにした機器は、太陽熱調理器(ソーラークッカー)と呼ばれます。
太陽熱調理器(ソーラークッカー)の種類
太陽熱調理器(ソーラークッカー)は、いくつかの種類に分かれています。
ここでは、太陽熱調理器(ソーラークッカー)の3つのタイプを紹介します。
このほかにも真空で断熱されたソーラークッカーがありますが、自作できるものではないため、今回は省略しています。
日の当たる場所があれば、どこでも使用できます。
私はベランダで使用していますが、お庭やキャンプ場などいろんな場所で使えます。
段ボールとアルミホイールで自作する簡易型
簡単に自作するには、段ボールや牛乳パックにアルミホイルを張り付けて、太陽の光が集まるように半円状に丸く囲うだけで作ることができます。
調理する食べ物は片面が黒くなっているアルミホイルで巻いて(黒い面を外側)、太陽光が集まる場所に置いておくことで、数十分~数時間で調理できます。
詳細は、インターネットで「ソーラークッカー 自作」を検索することで、いろんな種類のソーラークッカーが見つかりますので、お気に入りのものを作ってみてください。
子どもと一緒にやってみるのもおすすめです。
パラボラ型
パラボラ型は、カサを広げたような形をした太陽熱調理器(ソーラークッカー)です。
カサを使って自作することもできますが、私は「サニークッカー」と呼ばれる商品を購入しました。
三脚や五徳(鍋やヤカンなどを置くための器具)や黒いケトルが付属しています。
パラボラ型でカサのように折り畳んでコンパクトにできるので、とても便利です。
10分くらいで組み立て・片付けができます。
約3.5kgで持ち運ぶことも苦になりません。
軽量のパラボラ型の欠点として、強い風があると倒れそうになるので、風が強い日は使えません。
夏の昼間は約20分で1リットルの水を沸騰させることができ、真冬でも熱いお湯を作ることができます(3℃くらいの気温でも問題ありません)。
冬に湯たんぽに入れて使うと暖房費も節約できます。
蓄熱ボックス型
蓄熱ボックス型は、1面(または2面)だけを厚めのガラスや2重のガラスで熱が逃げないようにして、それ以外の5面(または4面)は、保温材でおおったボックスを用います。
ガラス面の上下左右に太陽光を反射する反射板(アルミ板など)をつけることで、真冬でも140℃、夏には180℃くらいまでボックス内の温度を上げることができます。
これも自作することはできますが、私は「サンオーブン」と呼ばれる商品を購入しました。
小さな鍋(外側が黒色)も丸ごと入れることができます。
約10kgくらいありますが、取っ手が付いているので、短い距離を運ぶのには問題ありません。
真冬(気温3℃)でも数時間で玄米を炊飯することができます。
煮込み料理は、なんでもできます。
それほど高温が必要でなければ、オーブンとして使うことができます。
パンを入れると簡単にラスクを作ることもできます。
太陽熱調理器(ソーラークッカー)の使用上の注意
- 太陽光を集めるため、使用する時にはサングラスを使用してください。パラボラ型では、太陽光が集中する場所と顔の位置が近いため、特に注意が必要です。
- 火を使いませんが、ケトルや鍋などとても熱くなるので、軍手などの手袋を使ってやけどをしないようにしてください。
- 太陽が動いているため、太陽の方向に合わせて太陽熱調理器(ソーラークッカー)を動かす必要があります。
まとめ
太陽熱調理器(ソーラークッカー)を使うことで、電気やガスや薪などの燃料を使わないで、調理をすることができます。
DIYでも作ることができますので、ぜひ試してみてください。
お湯を作ったり、速く調理をしたい場合には、パラボラ型がおすすめです。
じっくり煮込んだり、ご飯を炊いたり、オーブン代わりに使ったりする場合には、蓄熱ボックス型がおすすめです。
エネルギーを節約して環境にも優しい太陽熱調理器(ソーラークッカー)を使ってみてはいかがでしょうか?