対人関係で悩んだ時は?【交流分析の自我状態とエゴグラム】

対人関係の改善法(交流分析)🏚️家庭・生活

対人関係で悩んだ時には、私たちは自分自身を冷静に客観的にみる必要があります。
その手段の一つとして、精神分析を一般の人にもわかりやすくした「交流分析」と呼ばれるものがあります。

交流分析とは?

交流分析は、1957年にアメリカの精神科医のエリック・バーンが創案した理論体系です。
私たちが意識をしないで考え、行動していることを客観的にとらえ、自分をより深く理解することができるようになるだけでなく、人間関係においても改善していける方法を見つけるのにも役立ちます。

自我状態

ひとりの中に3つの性格を持つ状態

交流分析では、人はであるP(Parent)、大人であるA(Adult)、どもであるC(Child)の3つの性格を持つ状態(自我状態)があると仮定しました。
どのような時でも、人の考えや感情や行動は、これらの3つの自我状態にもとづいています。

親の自我状態(NPとCP)

Pには、父親のような厳しく批判的な親の部分(CP: Critical Parent)と母親のように寛容で養育的な親の部分(NP: Nurturing Parent)があります。
親の考えや行動をまねして、考えたり、行動したりするところです。
例えば、規則やルールに厳しかったり、ルーズな人を許せなかったりするとことはCPにあたり、思いやりがあったり、人のお世話をしたりするところはNPにあたります。

大人の自我状態(A)

Aには、自分や他人の状況や周囲で起こる出来事を冷静に客観的に分析する大人の部分(Adult)があります。
Aでは、大人として長年経験してきた知識を活かして行動します。
物事を分析して、事実に基づいて考えたり、論理的に冷静に判断します。

子どもの自我状態(FCとAC)

Cには、無邪気で振舞う自由な子どもの部分(FC: Free Child)と周りに合わせていい子でいる適応的な子どもの部分(AC: Adapted Child)があります。
例えば、人によく思われるようにふるまったり、相手の顔色をうかがっているところはACにあたります。

エゴグラム

これらの自我状態の程度をみるために、それぞれの自我状態を点数であらわしたものをエゴグラムといいます。
このエゴグラムをチェックする心理テストのひとつに自己成長エゴグラム(著作権フリー)があります。

それぞれの5つの自我状態について、10個の質問があります。
自分の性格に合ったものであれば〇を、そうでなければ×を、どちらともいえないときは△をつけてください。
印をつけ終わったら、〇を2点、△を1点、×を0点とし、それぞれの項目ごとに合計点を出してください。

批判的な親(CP)

間違ったことに対して、間違いだと言います。

時間を守らないことは、きらいです。

規則やルールを守ります。

人や自分をとがめます。

「~すべきである」「~ねばならない」と思います。

決めたことは最後まで守らないと気がすみません。

借りたお金を期限までに返さないと気になります。

約束を破ることはありません。

不正なことには妥協しません。

無責任な人を見ると許せません。

自己成長エゴグラムのすべて―SGEマニュアル

養育的な親(NP)

思いやりがあります。

人をほめるのが上手です。

人の話をよく聞いてあげます。

人の気持ちを考えます。

ちょっとした贈り物でもしたいほうです。

人の失敗には寛大です。

世話好きです。

自分から温かくあいさつします。

困っている人をみるとなにかしてあげます。

子どもや目下の人をかわいがります。

自己成長エゴグラムのすべて―SGEマニュアル

大人(A)

何事でも、なにが中心問題か考え直します。

物事を分析して、事実に基づいて考えます。

「なぜ」そうなのか理由を検討します。

情緒的というより理論的です。

新聞の社会面などには関心があります。

結果を予測して、準備をします。

物事を冷静に判断します。

わからない時はわかるまで追求します。

仕事や生活の予定を記録します。

ほかの人ならどうするだろうかと客観視します。

自己成長エゴグラムのすべて―SGEマニュアル

自由な子ども(FC)

してみたいことがいっぱいあります。

気分転換が上手です。

よく笑います。

好奇心が強いほうです。

物事を明るく考えます。

茶目っ気があります。

新しいことが好きです。

将来の夢や楽しいことを空想するのが好きです。

趣味が豊かです。

「すごい」「わぁー」「へぇー」などの感嘆詞を使います。

自己成長エゴグラムのすべて―SGEマニュアル

適応的な子ども(AC)

人の気持ちが気になって、合わせてしまいます。

人前に出るより、後ろに引っ込んでいます。

よく後悔します。

相手の顔色をうかがいます。

不愉快なことでも口に出さずおさえてしまいます。

人によく思われようとふるまいます。

協調性があります。

遠慮がちです。

周囲の人の意見に振り回されます。

自分が悪くもないのに、すぐあやまります。

自己成長エゴグラムのすべて―SGEマニュアル

ストレスをためやすいタイプ

あなたは、どの自我状態の点数が高かったでしょうか?
あるいは、どの自我状態の点数が低かったでしょうか?
自我状態の点数が高い方がいいとか悪いとかはありませんが、一部の自我状態の点数が高すぎる人ではストレスをためやすくなります。
以下に、うまくストレスに対処できずにストレスをためやすいタイプを示します。

他人に対して厳しい人(CPが高すぎる人)

CPが高すぎる人は、他人に対して「こうあるべきだ」と考えているため、そうでない人をみるとイライラしてしまいます。
何事においても、他人のミスが許せないため、人がミスをするとすぐに怒ってしまいます。
また、まじめで几帳面な人は、何事にも完璧を求める傾向が強く、責任感や正義感も強いため、何事にも一生懸命に努力します。
適当なところで妥協することができません。

CPが高すぎる人は、意識してCPを下げるようにして、NPを上げるようにすることで、ストレスを減らすことができると言われています。

人に頼まれたことを断われない人(ACが高すぎる人)

ACが高すぎる人は、嫌なことでも嫌といえずに、はっきりと断れません。
あとになって後悔したり、悩んだり、自己嫌悪におちいったりしてしまいます。
周囲の目を気にして、仕事を頑張り過ぎたり、他人に気を遣ったりする、いわゆる過剰適応の人は疲労をためやすく、思いもよらない転勤や配置転換、受験などをきっかけとしてストレスが増大する場合が多くみられます。

ACが高すぎる人は、意識してACを下げるようにして、FCを上げるようにしてみましょう。

CPやACが高くてNPやFCが低い人

CPやACが高い人は、ルーズな人に腹を立てていますが、言いたいことが言えずに抑え込んでしまいます。
さらに、NPやFCが低いと、対人関係でうまくいかないことが多く、ちょっとしたことで落ち込みやすくなります。

CPやACが高くてNPやFCが低い人は、意識してCPやACを下げるようにして、NPやFCを上げるようにしてみましょう。

対人関係の4つのタイプ

交流分析では、自分や他人をどのように感じているかを大きく2つに分けて肯定的なものを「OKである」否定的なものを「OKでない」と表しています。
「OKである」とは、「人間として価値がある」、「どのような問題を抱えていても、どのような行動をするにしても、その人の存在そのものを肯定する」ということを意味しています。
例えば、「私はあるがままでいい」、「私は大事な存在だ」などは、「私はOKである」ということになり、「私はダメな人間だ」、「私は誰からも愛されない」などは、「私はOKではない」ということになります。
「他人はOKである」、「他人はOKでない」との組み合わせにより、対人関係において次の4つのタイプがあることになります。

① 私はOKであり、あなたもOKである

人はみなOKであるため、お互いにストレスが少なく、スムーズな人間関係をつくっていくことが可能です。人として尊重し合い、協力し合って、平和的に暮らしていくことができます。

② 私はOKでなく、あなたはOKである

自分を責めて、憂うつになりやすくなります。劣等感を持ちやすく、罪悪感をもつ場合もあります。

③ 私はOKであり、あなたはOKでない

他人に対して支配的な態度をとることが多く、なんでもすぐに相手を責めたり、責任のがれをする傾向があります。

④ 私はOKでなく、あなたもOKでない

生きていても価値がないと考えたり、世の中が嫌になり、引きこもりがちになります。
人に対する不信感があるため、人間関係でもストレスをためることが多くあります。

最もストレスをためやすいタイプは?

最もストレスをためやすいタイプは、④の「私はOKでなく、あなたもOKでない」です。

もし子どもが母親から「あなたがいなければよかった(あなたはOKでない)」と言われたら、子どもはどのように感じるでしょうか?

「愛されていない(私はOKでない)」と感じるとともに「自分なんて生まれてこなければよかった(私はOKでない)」と感じて、自分のことを責めるようになるかもしれません。
「愛されていない」と感じる状態が続けば、安心感が育たなくなります。
また、母親に対する不信感が出てきて、人に対する信頼感も育たない可能性があります(あなたはOKでない)。
つまり、自分を否定して(私はOKでない)、他人を否定してしまうこと(あなたはOKでない)が多くなります。
それでは、その子どもの将来の人間関係や人生で大きなストレスや問題を抱えることになるでしょう。

対人関係のストレスを減らすには?

対人関係のストレスを減らすには、①の「私はOKであり、あなたもOKである」のタイプになることが重要になってきます。
①のタイプになることで相手の気持ちを考えながら、自分の意思に従って行動できるようになり、自分に自信を持って、他人の優れた部分を尊重することで周りと協力して生きていくことができるようになります。

交流分析のおすすめ本

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